2015.09.06 (Sun)

忍風カムイ外伝 (69)

白土三平(現在83歳)大先生原作の「忍風カムイ外伝」は80年代にも再放送されました。
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その「掟」を破る者にはただ「死」あるのみ

目が見えなくなったカムイは過酷な労働を受け入れ "安らぎ" と "生きる(戦う)目的" を得た  
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お玉さんを助けたいんだ!!! …かのように思われました。

第4話「むささび」第5話「五ッ」第11話「下人」を紹介します。 幼かった管理人が観た中で…

最も完膚無きまでに叩きのめされた作品 でした。

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第4話と第5話は再放送では "欠番" になる事も多かったようですが、幸い観られました。
第11話はサブタイトルが "差別用語" ではない「農民」に変えられていたかも知れません。

「貧困」と「差別」を真正面から描いた作品 であり、

観るのが辛い、と正直感じた事もありましたが、強烈に惹き付けられた事も覚えています。

「サザエさん」(69~)の前番組である事も信じられませんが、その前番組は「ゲゲゲの鬼太郎」
(第1期、68~9、第14~65話(最終回))。 モノクロ(白黒)作品では珍しく80年代に再放送され…

管理人を驚かせました。 白黒ならではの怖さがありましたが、正直何度も再放送された
第2期(71~2)の方が打ちのめされましたね。 第3期(85~8)は "物足りなさ" を感じて
ほとんど観ず、第4期(96~8)は最近初めて存在を知り、第5期(07~9)は少し観てます。
日本最多リメイク作「ゲゲゲの鬼太郎シリーズ」(68~)は今後の記事採り上げます。
(「鉄人28号ガオ!」(13)で「鉄人28号」(63~)もタイトルが異なりますが同数で並びました)


おじ・月影が前話で倒された事から、早苗・四郎の姉弟は「むささびの術」を捨てました。
「飯綱落とし」を封じる為ですが、四郎は立木を利用した「変形」に敗れます。 カムイは
「伏兵」の早苗も敢えて見逃しました。 若い2人を殺したくなかったので手加減したのです。
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知らねえ、見た事もねぇ  四郎は発狂し、姉が分からなくなります。

「大頭」の "血も涙も無い" 催促は再放送では音声カットされたと思います。
74年に「精神障害者家族会」が放送局に抗議して「差別用語」規制が始まりましたが、
それ以前はフツウに使われ「タイガーマスク」(69~71)の再放送でもカットされてます。
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キチガイはキチガイなりに生きて行く

四郎が手裏剣の技を覚えていた事から、早苗は「飯綱返し」を思い付きますが通じません。
(早苗の脚に縄が絡んだのは故意なのか偶然なのか不明。 「魁!!男塾」で富樫 源次が
センクウに同様の攻撃をし奇跡的に助かり、赤石 剛次は自らの急所を意図的に全て外す
一文字流奥義「血栓貫」で宋江将軍を倒し、意図を察知した大豪院 邪鬼に救われてます)
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術者は己の秘術を編み出した時、その術を

破る方法も考えるものだ
  私の… 負けだ。。。

四郎は逆さ吊りになった無残な死体に少しだけ興味を示しましたが、姉を思い出したりしない。
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お前だれ? 本作は "奇跡" が一切起こらず、無情な世界観で描かれました。

①人間が修行でここまで強くなれるか? ②次々と返り討ちされるのに追っ手を出すのか?

を除けば、当時としては珍しいリアル気味で「やや高い年齢層」向けの作品だと言えます。


実写で幼い頃の管理人を最も打ちのめしたのは映画「エレファントマン」(80、英米合作)。

実在した「ジョゼフ・メリック」(1,862~90)の半生を "奇跡" 無しで淡々と描いた白黒作品です。

I am a human being!(僕は人間だ) と彼が叫ぶシーンは

忘れられません。 「見世物小屋」はメディアの発達により、イギリスでは19世紀末頃から
規制されましたが、日本では少なくても60年代までは規制される事は無かったようです。


「名張の五ツ」は脚でも武器を扱える名の知れた凄腕の忍者。 「五本脚」奇形の蛙を助ける。
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五つ脚の生まれはお前のせいではないのにのう

白土大先生は小学生の時、実際に五本脚の蛙を捕まえた事があって、興奮したそうです。
その後、その蛙が仲間達の中で、どのような生活をしていたかを考えた、事により

身分或いは他の如何なる理由による差別も、

私は絶対に反対である。 

こんな時代遅れなことは早くなくしたい。


という思いに至ったそうです。 大先生の作品は学生から知識人にまで評論されました。

「五ッ」は敵の動きを見極めカウンターを狙う、すれ違いざまに技を放つカムイにとっては
非常に怖い相手! もう1本刀を隠し持ち、左右自在の「変移抜刀霞斬り」を破りました。
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俺の霞斬りが破れたのは初めてだ 刀を挟んで語り合う。

カムイが忍びになった理由は「非人」(「穢多」以下の賤民層)部落に生まれた為「自由」が…
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お主なぜ忍びとなった、なぜだ? 俺は生れた

時から人に蔑まれる身分に育った 
 欲しかったから。

命令のままに人を殺す事がイヤになり「抜け忍」になりましたが、それでも「自由」など無い。
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逃げる為にお前は次々と人を殺すだろう

その後、五ツも「抜け忍」となり追っ手を「最後の手」(右腕が2本の奇形)で返り討ちにする。
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この手のお陰でワシはいつも危機を切り抜けて来た

通じ合うモノがあったのは「忍びの世界以外に生きる道が無かった」境遇同士だからです。

「身分差別」と「障害者差別(奇形)」、両者の間には全く入り込む余地が無い、と感じました。


映画「忍者武芸帳」(67)は静止画主体の白黒作品、この作品のアニメ化に大先生が
OKを出さなかった為、漫画「カムイ外伝 第一部」(65~7)がアニメ化されました。

漫画「忍者武芸帳 影丸伝」(59~62)の頃は「東京オリンピック」(第18回夏季、64)に向け
"日本の恥部を世界の目から隠そう" 的な風潮があり、非難された事もあったようですが、
大先生は、ただ悪戯にではなく、確固たる信念を持って「貧困」と「差別」を描き続けました。

「カムイ」の後番組は「ワタリ」の予定でしたが、大先生はまたもOKを出しませんでした。
映画「大忍術映画ワタリ」(66)が "階級解放闘争" を描かなかった事に激怒された為、
かも知れません。 後番組「サザエさん」は開始当時、全く期待されてなかったようです。


第10話「空蝉」で追っ手が自爆した為、カムイは一時的に目が見えなくなり行き倒れました。
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「子供は残酷だ」とよく言われますが「大人は残酷だ」は当り前なので言う必要がありません。

「身分制度(奴隷制)」は農耕、国家、戦争と同様に古く、日本でも「邪馬台国」(2~3世紀)
の頃から記録に残ってます。 「大宝律令」(701)から "奴婢" (ぬひ)として制度化されました。

また中世になると支配層に従わない「悪党」集団が現れ「忍者」の元になりました。
三重県名張郡を武装自治した「黒田の悪党」は有名で「伊賀忍者」になったと言われます。

「目が見えない行き倒れ」を「下人」(近世以前の家内隷属民)にする事はフツウだったでしょう。
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この俺が人から大事にされるなんてなw

反乱も逃走もしない事は追っ手には盲点になったようで、彼は "安らぎ" を感じてました。
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俺が自分で選んだ生き方だ でもどうして?

ここで働いていれば人を殺さずに済む

「盗賊(のようなモノ)」に村は目を付けられました。 武装してないので格好の "カモ" です。
支配層も元を辿ればこういう連中だったのかも知れません。 カムイは鎖を解くように…
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懇願しますが、村人達は信用しません。 彼は極限状態で手加減が出来ず、人を殺します。

村を守る為、彼は命懸けで戦いましたが、村人達は彼を恐れ全員逃げ出してしまいました。 
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カムイの生きる道は 殺戮 の中にしか無いのであろうか?

管理人は「野口英世」の伝記を読んで「てんぼう」とイジメた悪ガキ共を "極悪人"
のように感じていたので、村人達がどうしてここまでヒドイ事が出来るのか理解不能でしたが、

カムイが誰からも理解されず "安らぎ" と "戦う目的" を失った事に涙が止まりませんでした。
しかし「貧困」と「差別」を描かない事は、それらについて考える機会を奪う事だと思います。
白土大先生については語り尽くせないので、今後の記事で再度補足する予定です。
でわ

P.S.
・高まる子供の貧困率 教育支援の充実が急務
 ttp://www.nikkei.com/article/DGXKZO89062550Y5A700C1X12000/
80年代に取り沙汰されたのは「世界の貧困」で、条件が色々違う事は確かだけど
「日本の貧困」が連日話題になるとは、当時の管理人は夢にも思いませんでした。

「東京オリンピック」(第32回夏季、2,020)で「新国立」や「エンブレム」問題などは
「本当に日本で起きてる事なの?」と信じられない感じがします。 …もしかしたら今後も
失態が続出して「国力の衰退」を国内外にアピールしてしまう大会になってしまうかも。。。
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20:00  |  アニメ

Comment

重いテーマを持ってきましたね。

「カムイ外伝」なんですが貧困と差別と言う重いテーマと向き合った作品だと言うのは理解出来ました、現在では差別の問題もあり封印状態になってしまっている特撮やアニメもありますが、「帰ってきたウルトラマン」の第33話も差別をテーマにした作品でした、初号試写の段階で残酷描写がTV局のプロデューサーに受け入れられず撮り直しを余儀無くされ初回放送の形となりました、現在でも部落差別、在日韓国人や日本人と外国人とのハーフの人への差別が根強く残っています、差別の問題は日本に限った事ではありませんが、話が脱線して申し訳無いのですが人類の歴史が始まってから戦争を繰り返してきましたがもう地球人同士で争う時代は終わったのではないかと思います、これからは人類全てが手を結び宇宙からの脅威、インベーダーから地球を守る時代に突入したのだと思います、管理人さんが取り上げた「カムイ外伝」、作り手は今の日本人に気付いて欲しくて貧困と差別をテーマにした作品を世に残したのだと思います。
あさばよしゆき |  2015.09.06(日) 21:19 | URL |  【編集】

「帰マン」第33話を…

調べましたが「ウルトラシリーズ」では陰惨なお話として
有名みたいですね。 まだ観てない管理人はど素人です。

地球人同士争う時代はまだ終わってないようですよ。
「日本をスイスみたいに…」と言ってる人も居るようですが、
徴兵制+高度な軍事教育をしないと、カムイ第11話の村になっちゃいます。

「黒田の悪党」→「伊賀忍者」は権力に武装して逆らい続けましたが、
「天正伊賀の乱」(1,578~81)で伊賀国は地獄絵図になったようですし、
"自分達だけで守る" 事が如何に覚悟が必要で危険かが分かります。
…逃げ出して、ほとぼりが冷めた頃戻った忍者がけっこう居たらしいですが。

宇宙ですか… アントニオ猪木議員がそんな事言ってたようなw
でわ
珍来 |  2015.09.06(日) 21:52 | URL |  【編集】

東芝がスポンサー

サザエさんの前にやっていた番組でした。日曜日18:30から19:00のフジテレビ系は、東芝が単独でスポンサーをやっていました。カムイ外伝の前が、水曜の19:00から移ってきた『ゲゲゲの鬼太郎』(放送日が変わったのは、スポンサーが変わったため)で、その前は確か光速エスパーの実写版でした。東芝のテーマソングを聞いたのは、この頃でした。
鷲尾飛鳥 |  2015.09.07(月) 14:54 | URL |  【編集】

東芝ですか…

調べてみると「フジ日18時後半枠」は
「カムイ」開始から東芝が初参加で単独スポンサーになり、
98年10月以降は単独ではなくなりました。
「不適切会計問題」でも「サザエ」が終わったりはしないでしょうw

「鬼太郎」(第1期)の前にその枠で放送されていたのは
「マッハGoGoGo」(第1期)の第14~52話(最終回)でした。

「光速エスパー」(67~8)は「日テレ火19時前半枠」で放送され、
東芝単独スポンサーでした。 東芝のマスコットキャラとして
64年にデザインされたそうで、70年代まで使われたとか。
「光る東芝」は専用のアニメーションが流れたそうです…
検索しても残念ながら見つかりませんでした。

【なつかCM】東芝日曜劇場 光る東芝
 ttps://www.youtube.com/watch?v=pFqNnEGIDG8
この枠では56年から86年まで30年間も流されたとか、観た事あります。
替え歌を作りたくなる歌ですね「もめる もめる 東芝♪」とかw
でわ
珍来 |  2015.09.07(月) 19:52 | URL |  【編集】

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